オプション取引の基礎と概要

こんにちは、デフィー 弐拾壱号です。

仮想通貨市場でも伝統的なアセットクラスで取引できるオプション取引を行うことができます。

しかしオプション取引のイメージとしてなんだか難しいというようなイメージを持っている方も多いでしょう。

確かにオプション取引というのは調べれば調べるほど奥が深い投資商品であり、色々な視点から取引戦略を考えることができます。

ここではオプション取引の概要から、基本的な戦略としての使い方、利用するメリットについて解説していきます。

オプション取引の概要

オプション取引とは、将来のある時点において、ある種類の資産(株式、為替、商品など)を一定の価格で売買できる権利を買い取る取引です。

この権利を買うことで、将来の値動きに対して保険をかけることができます。

オプションの価格は、権利を購入するために支払う料金で、この料金は「プレミアム」と呼ばれており、プレミアムの価値の売買をオプション市場では行っており、あくまで現物ではなく、権利の売り買いということがポイントです。

コールオプションの取引と基本的な使い方


(画像引用 日本証券取引所グループ)
https://www.jpx.co.jp/learning/derivatives/options/07.html
コールオプションとは、特定の資産をある時点で一定の価格で買う権利を与える契約です。

つまり、コールオプションを購入することで、将来的に資産の価格が上昇した場合に、その権利を行使して安い価格で資産を購入することができます。

具体例として、ビットコインが20,000ドルだった時点において、3ヶ月先の23,000ドルでビットコインを買う権利をオプション取引で購入しておくことで、もしも3ヶ月後に30,000ドルまで上昇していた場合でも、23,000ドルで購入することが可能となります。

そのため7,000ドルが利益となるということです。

一方でビットコインが15,000ドルまで下落していた場合は、オプションを購入したタイミングでオプション料という保険を支払って購入しているため、下落した分の損失は被らないということになります。

投資家は上昇するかはわからないので現物を購入して価格の下落リスクを取りたくないものの、万が一上昇した時は大きくなりそうと予想した場合などに用いたりもします。

プットオプションの取引と基本的な使い方


(画像引用 日本証券取引所グループ)https://www.jpx.co.jp/learning/derivatives/options/07.html
プットオプションとは、コールオプションは逆に、特定の資産をある時点で一定の価格で売る権利を与える契約です。

プットオプションを購入することによって、将来的に資産の価格が下落した場合に、その権利を行使して高い価格で資産を売却することができます。

例として先ほどと同様にビットコインが20,000ドルの時点において、3ヶ月後に15,000ドルで売却できるプットオプションを購入したとします。

その後ビットコインが10,000ドルまで急落した場合でも15,000ドルで売却することができるため、時価の10,000ドルでビットコインを購入して、プットオプションで行使した権利で15,000ドルですぐ売却することによって、5,000ドルの利益を確保することができます。

現物を保有している投資家はプットオプションを一時的なヘッジのために利用することもあります。

何かしらイベントが発生する場合において、その期間だけヘッジを行っておきたい場合はプットオプションをそのイベント期日に合わせて購入し価格変動リスクを軽減するという利用方法もあります。

オプション料の決まり方

オプション料というのは「プレミアム」という言葉で表しており、このプレミアムというものでオプション取引が行われます。

以下がオプション取引のプレミアムの価格を変動させる要因になります。

1.権利行使価格(ストライク価格):オプション契約において、投資家が権利を行使するために支払う価格がストライク価格です。

ストライク価格が高くなると、プットオプションのプレミアムは上昇し、コールオプションのプレミアムは下落します。

2.権利行使期限(時間価値):オプション契約の権利を行使する期限を時間価値と呼びます。

時間価値は、権利行使期限が長いほど高くなります。時間が経過するにつれて、時間価値は減少し、プレミアムも低下します。

3.ボラティリティ:株価変動の予想が高いほど、オプションの価値は高くなります。

このボラティリティを示す指標が「オプションのボラティリティ指数(VIX)」です。ボラティリティが高いほど、オプションのプレミアムも高くなります。

大きくプレミアムの価値に影響するものを挙げましたがアセットクラスが異なるとこれ以外でもプレミアムの変動要因というものが異なります。

オプション取引のメリット

オプション取引には様々なメリットがあります。

1.レバレッジ効果:オプション契約は小さな資金で大きな利益を得るチャンスがあります。

例として、コールオプションを購入することで、価格が上昇した場合に現物で株を購入するよりも少ない資産で、大きな利益を得ることができます。

2.リスク管理:オプション取引は、投資家にとってリスク管理のツールとして機能します。

例として、仮想通貨において、ビットコインが下落するリスクをヘッジするために、プットオプションを購入することができます。

株価が下落した場合でも、プットオプションによって権利行使を行うことによって、損失を最小限に抑えることができます。

どのくらいヘッジを行うか等は投資家次第ですが、ヘッジとして実際に機関投資家が利用している例は多くあります。

3.多様な取引戦略:オプション取引は上記のようなシンプルな戦略の他にも価格の上下の値幅を利用して取引を行う戦略や、コールオプションとプットオプションを利用する戦略等多様な取引戦略を考えることが可能です。

まとめ

オプション取引の基本的な概要について解説しました。

オプション取引とは少し難しい商品と思われがちですが、利用方法を工夫することで色々な目的のために利用することができます。

仮想通貨市場でもオプション取引ができるようになってきていることから、興味がある方は調べつつ挑戦してもいいのではないでしょうか。

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