ステーブルコインの国内流通の法整備着手へ……ただし課題も

こんにちは!弐号です。

ブロックチェーン上のステーブルコイン(米ドルなどに価格連動したコイン)が国内では法整備ができておらず、取り扱いが難しかったのですが、ようやく金融庁主導のもとで法整備が進みそうです。

上記記事によれば、預金などによる裏付け資産の保全を前提として、マネーロンダリング対策を盛り込んだ上で国内でステーブルコインの流通を認める方向で調整を行っているそうです。

ただし、米ドルのステーブルコインなどについては、発行体が担保資産をもっている形となっていますが、こちらの記事によると国内の流通業者でも裏付け資産を保有することが前提となるような書き方となっており、もしそうなると、国内の流通業者が販売したステーブルコインと同額を担保資産として保有するべきであるというふうに読めます。

もしそうなると、販売したステーブルコインの購入に要した金額と別に、合計で200%の裏付け資産を保有することになってしまい、現実的には非常に難しいと考えられます。

金融庁の理解が乏しいのか、これはかなり理不尽な規制となりますので、実際に国内でステーブルコインを販売するのはかなりハードルが高そうです。

また、送金額も100万円を上限とするなど、国内での流通にかなりの制限がかかる形となってしまいます。

これでは、とてもではないですが、取り扱う業者が現れる可能性は低いでしょう。

一方で、ステーブルコインは暗号資産の時価総額ランキングの上位にかなり食い込んでおり、世界ではかなり流通が行われているものですので、もし日本国内から容易にステーブルコインが扱えるようになれば、DeFiの利用者は急増することが予想されます。

かつで非常に流行したUSTというステーブルコインがデペグを起こし、世界的な混乱を招いたことに対する対策として裏付け資産を保つことを義務づけするという意図だとは思うのですが、実効的にはあまりセンスのよろしくない規制となりますので、きちんと裏付け資産をもっている USDC などのステーブルコインについては、そうした厳しい規制が免除されることを期待したいと思います。

以上のように課題は残りますが、ステーブルコインが正式に日本の規制のもとで流通できるようになるのは歓迎すべき事態であることには変わりないと思います。今後、金融庁がどのように細かな規制を策定していくのか注目していきたいと思います。

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