【投資戦略】レバレッジ・レンディングで利率をブーストしよう!

サムネイル引用元:公園のシーソー(photoAC)

こんにちは!弐号です。

レンディングに資金を入れることで貸出金利を得ることができますが、より高度な戦略として貸し出したトークンを担保にトークンを借り入れ、さらに追加で貸し出しを行うことで、金利を「ブースト」させることができる場合があり、一般的にそのような投資手法を「レバレッジ・レンディング」とか、俗に「ぐるぐる戦略」などと呼びます。

この記事ではどういったケースでレバレッジ・レンディングを利用できるのか、また利率はどのくらい変わるのかを見ていきます。

貸出金利と借入金利の逆ザヤ

レバレッジ・レンディングを行うための条件として、貸出金利と借入金利の間に「逆ザヤ」が発生している必要があります。

一般的には、レンディングでは貸出金利の方が借入金利よりも安くなるのですが、ガバナンストークン報酬を配ることで貸出金利の方が借入金利よりも高くなることがあります。

この場合には、安い金利で借り入れを行って、高い金利で貸し出しをできるということになりますから、担保をもとに借り入れと貸し出しを繰り返すことにより、単純に貸し出しのみを行った場合よりも高い金利を得ることができます。

また、ステーキングサービスを利用することで、生のトークンを借り入れてレシートトークンにスワップして、そのレシートトークンを担保としてさらに借入を行う、ということもできます(例えば ETH と Lido の stETH を用いたぐるぐる戦略)。

例えば、BENQI の2023年1月25日現在の金利は次のようになっています。

これを見ると、例えば BUSD は貸出金利が 4.26% ですが、借入金利は 2.07% となっており、逆ザヤが発生していることがわかります。

利率はどのくらいブーストされる?

それでは次に、レバレッジ・レンディングによってどのくらい利率がブーストされるのかを考えてみましょう。

重要なファクタ

借り入れと貸し出しを何回繰り返すかによって、利率のブースト率は変化します。

ここでは貸出金利を r_\text{supply}、借入金利を r_\text{borrow} としましょう。

利率のブースト率を計算する上でもう一つ重要となってくるファクターが「Loan To Value (LTV)」とか「担保率 (Collateral Factor)」と呼ばれるものです。

LTVとは、担保として預け入れられた資産のうち何%まで借り入れを実行できるかを決める値です。

例えば、100万ドル分のトークンを担保として預け入れた場合、LTV が80%であれば80万ドル分までのトークンを借り入れすることができます。

LTV はレンディングプラットフォームが自由に設定できる値であり、一般的に、ボラティリティが低く、流動性の多い資産の方が高い LTV を保つ傾向にあります。

LTV を高めに設定するほうがたくさん借り入れを行うことができるため、ユーザとしてのメリットは上がりますが、LTV を高く設定しすぎると担保割れした際に精算 (liquidation) に失敗し、プラットフォームが不良債権 (bad debt) を抱える可能性が高まるため、プラットフォーム運営者には慎重に LTV を設定することが求められます。

以下では LTV を l とします。

有限回

まずは一回、LTV の上限まで借り入れと貸し出しを行った際に利率がどう変化するかを考えましょう。

預け入れるトークンの枚数を1枚と仮定すると、借り入れができるトークンの枚数は l 枚ですので、ブーストされた利率は

r_1 = r_\text{supply} \times (1 + l) - r_\text{borrow} \times l

となります。

借り入れと貸し出しを二回繰り返した場合には、二回目に借り入れできるトークンの枚数は l^2 となりますので、

r_2 = r_\text{supply} \times (1 + l + l^2) - r_\text{borrow} \times (l + l^2)

となり、一般的に n 回繰り返せば

r_n = r_\text{supply} \times (1 + l + \cdots + l^n) - r_\text{borrow} \times (l + \cdots + l^n)

ここで等比数列の和の公式を適用することで

\displaystyle
r_n = r_\text{supply} \times \frac{1-l^{n+1}}{1-l} - r_\text{borrow} \times \frac{l-l^{n+1}}{1-l} \quad \cdots \quad (1)

となります。

これを元に、例えば LTV が80%で10回繰り返した際のブースト利率を計算すると以下の表のようになります。

(元データ: https://docs.google.com/spreadsheets/d/1mJmHl6NbS5XajS5Ks2ucCxJgpTOZi94k1BOnAAJ106Y/edit?usp=sharing)

この表を見ると、例えば貸出金利が5%で借入金利が3%だとすると、11.93%まで利率をブーストすることができます。

単純に預け入れだけを行った場合には5%しかもらえないことを考えると、まぁまぁな結果なのではないでしょうか?

とはいえ、この戦略は基本的にレバレッジを効かせた投資戦略であり、市場環境が変化し仮に貸出金利が借入金利を下回ってしまった場合には大きく損失が発生していくことになってしまいますので、定期的に利率を監視し、そのような場合には即座にポジションを解消するといったことが求められます。

例えば、貸出金利が3%に、借入金利が5%にあがってしまったとすると、-3.93%の損失になってしまいますので気をつけましょう。

無限回

理想を言えば、借り入れと貸し出しを無限回繰り返すことで、利率のブースト率を最大化することができます。

普通にやったのでは無限回の操作はできませんので、ある程度の回数で諦めることになると思いますが、例えばフラッシュローンを利用してポジションを作ったり、一時的に他の場所から資産を借り入れてきて担保を水増ししてからポジションを作るなどをすれば、実質的に無限回繰り返したようなポジションを形成することも可能です。

安直に極限をとる

このときのブースト利率は、l であることに注意して (1) 式に n \rightarrow \infty なる極限を取ることで

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