2022年の振り返りと、2023年の展望

こんにちは!弐号です。

少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年もDeFIREをよろしくお願いいたします。

さて、この記事では去年の振り返りと、今年の相場展望をお話したいと思います。

2022年の振り返り

2022年の経済はウクライナ戦争による物流の混乱と、アメリカでのインフレ率の急上昇に対応した歴史的に類を見ない金融引き締めにより、大混乱を極めました。

株式市場

株式市場は、米国債の金利が4.5%もの高い水準に達したことなどを受け、暴落しました。

米国株の主要指標である S&P 500 のチャートは以下のようになりました。

(TradingView)

2022年はじめには4,800ポイント付近で推移していましたが、一年をかけ暴落し、10月頃には3,500ポイントの安値を記録しています。

2022年末には4,050ポイント付近と、年始と比べて15%ほどの下落率となっています。

S&P 500 の10年間の平均リターンはプラス15%前後ですから、これが以下に大幅な下落であったかが分かるかと思います。

債券市場

(TradingView)

米国債(10年物)は2022年はじめには1.5%程度でしたが、10月頃に最大で4.3%付近を記録しており、年末には3.9%付近を記録しています。

仮想通貨市場

(TradingView)

ビットコイン価格は、2022年はじめには50,000ドル付近だったのが、一年をかけて大幅に下落し、年末には16,000ドル付近を推移しています。

DeFi市場は?

仮想通貨市場の急速な冷え込みにより、DeFiでの取引も薄くなり、それに伴ってレンディング利回りもAMMでの利回りも大幅に下落しており、DeFiでの資産運用に旨味がなくなりました。

DeFiプロトコルに依存しますので一概には言えませんが、2022年はじめにはドル建てで10%以上の利回りで運用できるケースが多かったものの、年末には3〜5%程度で運用できれば上々、といった市場環境となっております。

米国債の利回りが4%前後ですので、リスクの高いDeFi市場での運用は完全に旨味を失い、大量の資金がDeFi市場から流出しました。

(DefiLlama)

2022年はじめには $170B 程度の資産が DeFi 市場に存在していましたが、年末には $40B 程度と、実に1/4以下の預け入れ残高まで減っています。

相場概観

以上でみたように、2022年の相場環境は非常に厳しい年となりました。

株式も仮想通貨も振るわず、この市場環境ではたとえ損失を出したとしても、生き残っただけで及第点が与えられるのではないでしょうか?

特にDeFi市場に関しては、相次ぐハッキングやTerraエコシステムの崩壊など、かなり厳しいイベントが目白押しの一年でした。

DeFIREでは米ドル建ての安定投資を推奨していますが、ハッキングなどに巻き添えになり損失を出した方も多いのではないでしょうか?

繰り返しになりますが、2022年は歴史的に見てもかなり地合いの悪い年でしたので、退場しなかっただけでも上手く立ち振る舞えた年と言えると思います。

いまいちど去年の投資戦略を振り返っていただき、今後に活かしてもらえればと思います。

2023年の相場展望

2022年は惨憺たる市場環境でありましたが、2023年はどうなるでしょうか?

アメリカの利上げ

米国債の利率は4%ほどに達していますが、これを超えて例えば5%を超えるような利率に到達するのは難しいと考えています。

特に5%という数字に根拠があるわけではないのですが、これ以上の利上げは銀行などから借り入れを行っている企業にとっては耐えられるものではなく、経済活動の大幅な減退が予想されるからです。

また利上げの根拠となっている消費者物価指数 (Consumer Price Index; CPI) も6月に前年比で9.1%をつけたあと下がりつつあり、10月・11月はともに7.1%と下降傾向にあります。

この傾向が継続するのであれば、利率は据え置き様子見をする可能性が高いと考えています。

もっとも、CPI がふたたび上昇傾向に転じればさらなる利上げも視野に入ってきますが、現時点では数ヶ月〜半年ほど様子見をするのではないでしょうか?

ウクライナ戦争

またウクライナ戦争による物流の混乱やロシアへの制裁により高騰したエネルギー価格も、ウクライナ戦争が収束すればもとに戻っていきます。

ウクライナ戦争の出口はまだ見えませんが、これ以上の長期化はロシア経済への打撃が大きく、年内には何らかの形で決着(休戦?)するのではないかと考えています。

未来については何とも言えない部分が大きく希望的観測を含みますが、メディアの報道などを見ているとロシアの勝ち目はかなり少なくなっていると考えており、もう半年ほどすれば出口が見え始めるのではないかと考えています(ただし、西側諸国のメディアの報道だけを信じてはいけません)。

今後の展望

市場環境にとって最も良いシナリオは、このまま米国CPIが下降し2〜3%ほどに達し、またウクライナ戦争も集結するというものです。

それには少なくとも半年以上の時間が必要だと思いますが、そうなれば今年の後半にはリスクマネーの増大により株式市場も仮想通貨市場も復活を遂げるでしょう。

そうなれば、DeFi市場にもまた活力がみなぎり、各種利率も最盛期のものを取り戻すと考えられます。

一方でワーストケースとしては、CPIが再び上昇してしまい、10%程度まで戻ってしまい、またロシアが戦術核の使用といった「禁じ手」に手を付けてしまうというものです。

そうなれば、米国はさらなる利上げを検討せざるを得なくなり、さらに市場環境が冷え込むことが予想されます。

また中国の台湾侵攻の可能性も捨てきれず、もしそうなってしまえばさらなる物流の混乱や市場へのネガティブインパクトは避けられません。

今後世界情勢がどういった動きを見せるのかは予測できませんが、今年も去年に引き続き市場環境が極めて流動的であると考えられます。

常に経済ニュースをウォッチし、市場環境にあわせた上手い立ち回りが要求される年になると思います。

逆にこうした流動的な市場環境はうまく波に乗ることができれば大きく儲けられるチャンスでもありますので、ぜひ常日頃から様々な方向から世界情勢の想定シナリオを考え、波に乗れるように頑張りましょう!

今年は継続的なポートフォリオの点検をおすすめします。資産は適切に分散されていますか?リスクは許容範囲内に収まっていますか?ライフステージに合ったものになっていますか?

それではよいDeFiライフを!

サムネイル引用元

虎からバトンを受け取ろうとするうさぎ(SOZAI GOOD)

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