MakerDAOのCDP/MCDとは?仕組みやリスク、特徴を解説

サムネイル画像引用元:MakerDAO

こんにちは、デフィー 参拾肆号です。

暗号資産を触っている中で出てくるCDP。

なんとなく理解しているものの詳細は把握できていない、このような方も多いのではないでしょうか。

この記事はそのような方に向けて、
・CDPの始め方
・CDPとMCDとの違いとは
・ETHを効率的に運用する方法
などを解説します。

CDPやMCDなどに興味のある方はぜひご覧ください。

CDPとMCDの概要

プロトコル 担保にできる銘柄 発行コイン
CDP $ETH 単一担保型Dai(SCD)
現在のシンボルは$SAI
MCD $ETH
$BTC
$LINK
$YFI
$MANA
$MATIC
$GUSD など
複数担保型Dai(MCD)
シンボルは$DAI

CDP(Collateralized Debt Position)は担保付き債務ポジションといわれるMakerDAOのファイナンスプロトコルです。ユーザーは$ETHを担保として預入れ、ステーブルコインである$DAI(その後の$SAI)を入手します。

MCD(Multi-Collateral Dai)は$ETH以外にも様々な銘柄を担保として利用できるファイナスプロトコルです。担保となる新銘柄の追加には、MakerDAOのステークホルダーによる投票が必要となります。
参照サイト:Oasis.app

CDPとMCDについては、構造がやや複雑ではじめて読む方は理解がむずかしいでしょう。他サイトではありますが、下記にてわかりやすく図解されています。

画像引用元:仮想通貨版の預金口座!?ステーブルコインDAIの仕組みを理解して年率7%以上を賢く稼ぐ新しい資産運用方法☆ | ALIS

CDPからMCDへ移行

2019年にMakerDAOはCDPをMCDへと移行しています。これにより、CDPで発行された$DAIは$SAI、MCDで発行されたステーブルコインのみを$DAIと呼ぶことになります。


$SAIは$DAIへの変換が可能ですが、2023年時点でも価格上昇等を期待して$SAIを保有しているステークホルダーはいます。

CDP/MCDの始め方


画像引用元:Oasis.app

CDP/MCDはMaker Vaultというスマートコントラクトを使用してMakerプロトコルで$DAIを生成します。手順はわずか3ステップです。

  1. DAppsに預け入れ、Vaultを作成
  2. Vaultで資産ロック
  3. $DAI受取

なお、2023年1月時点でCDPへの参加はできません。

$DAIへの評価


画像引用元:MakerDAO

$DAIは米ドル価格と連動したステーブルコインです。$DAIの価格はMakerDAOによって過剰担保されており、流通価格以上の資産によって裏付けられています。

また、$DAIホルダーはDSR(DAI Savings Rate)というMakerプロトコル機能が使用できます。DSRで保有$DAIをロックすることで利益を得ることも可能です。

コスト/手数料

CDP/MCDを始める上でコストはかかりません。
※ガス代は別です。

しかし、$DAIを返却してVaultを解消する時点で「安定化手数料」を支払うことになります。支払いFT(Fungible Token)は$DAIです。

CDP/MCDへの理解を深める

ここではCDP/MCDを提供するMakerDAO、ファイナンスプロトコルの移行、システム評価などを解説していきます。

発行元のMakerDAOとは


画像引用元:MakerDAO

MakerDAOはステーブルコインである$DAIの発行を目的としたDAO(Decentralized Autonomous Organization)です。

設立は2014年で、ガバナンストークンとして$MKRを発行しています。$MKRを保有することでMakerDAOの運営に参加ができます。

CDPからMCDへ

CDPの実装は2017年でした。それから約2年間、担保として使用できる銘柄は$ETHだけでした。2019年にMCDへの移行が行われ、$ETH以外の銘柄も担保として使用できるようになりました。

システム


画像引用元:MakerDAO

CDP/MCDの至上命題は「$DAIの安定化」です。目標価格は当然、$1:$1DAIとなります。もし、市場の急激な変化によって$DAIのドルペッグが危ぶまれた場合、MakerDAOはファイナンスの貯蓄率をコントロールして価格安定化を図ります。

レバレッジ効果

CDP/MCDで生成した$DAIでさらにCDP/MCDを生成することで資産にレバレッジをかけることが可能です。

預入銘柄が値上がりした場合は大きな効果が見込めます。

CDP/MCDのメリット/デメリット

ここでは、CDP/MCDのメリットとデメリット、他のレンディングサービスとの違い、ユースケースについて解説させて頂きます。

メリット デメリット
誰でも利用可能
返済期限なし
$DAIの使用制限なし
誤操作による補償なし
担保資産の変動リスクあり
ガス代が高い

CDP/MCDはメタマスクなどのプライベートウォレットがあれば誰でも利用可能です。担保期間に制限はなく、長期的なWeb3.0プロジェクトにも$DAIは使用できます。

デメリットとしては、DeFi特有のユーザー責任と、イーサリアムネットワーク利用における使用コスト(ガス代)が挙げられます。他のチェーンと比べ、イーサリアムネットワークの利用料は高額です。

他のレンディングサービスとの違い

CDP/MCDの使用は全てオンチェーンで記録されます。トランザクションが公開されている、非常に透明性の高い金融サービスです。

一方、CEXでのレンディングサービスは

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