こんにちは!弐号です。
暗号技術は日々進歩しており、ビットコインなどで利用されている比較的新しい暗号技術である ECDSA などをコンピュータを用いて解析しようとすると、最新のGPUを用いたとしても宇宙年齢レベルの時間がかかってしまいます。
もちろん複数のコンピュータで並列処理を行えば現実的な時間で解くこともできますが、そのためには地球上に存在するすべてのコンピュータをつなぎ合わせても足りないため、国家予算をもってしても十分な数のコンピュータを用意することは難しいです。
しかし、どんなに最新の暗号技術であったとしても、手段を選ばなければ、たったの5ドル(1,000円以下)で破ることができてしまいます。
暗号技術はクレジットカード番号の暗号化などで広く利用されており、そんな安いコストで攻撃ができてしまうのならば現在のインターネットの信頼がゆらぎかねません。
これは大問題ですね。。。
これは一体どういった方法なのでしょうか!?
そしてこの攻撃から守るためにはどうすればいいのでしょうか……?
詳しく見てみましょう。
元ネタ
この記事のタイトルにもある通り、この攻撃にはホームセンターで5ドルで売っているような、レンチを使います。
元ネタになっている画像を見てもらうのが早いので、日本語訳したものを掲載します。
(https://steemit.com/bitcoin/@jamesjones/protect-yourself-against-usd5-wrench-attacks をもとに日本語版を作成)
こちらの画像はもともとは仮想通貨のセキュリティに言及しているものですが、広く「暗号」という文脈でも適用できます。
左の画像ではクリプト(= 仮想通貨)オタクの思考を表しており、攻撃者が高額なコンピュータクラスタを作って攻撃を試みようとしたものの、暗号強度が強すぎて(RSA 4,096ビット)攻撃ができない、失敗だ!……となっている様子です。
しかし右の画像では現実には5ドルという安いレンチで暗号の鍵を持っている人を拷問すれば解読ができてしまう、という皮肉となっています。
つまり、どのように強力な暗号であったとしても、暴力の前には無力であることを示しています。
(なので、タイトルにある「〇〇」には「暴力」が入ります。)
実際、仮想通貨を大量に保有している人が強盗に遭い、盗難されてしまうという事件が世界で多発しています。
残念ながら日本でも仮想通貨強盗は発生しており、非常に危険ですね。
対策
ではこのような攻撃に遭わないためにはどうすればいいでしょうか?
残念ながら根本的な解決策はありません。
いわゆる「無敵な人」に襲われてしまっては対策なんてしようがありませんね。
とはいえ
- 大量の仮想通貨を持っていることを言いふらさない
- 信頼できない人物には気軽に会わない
- セキュリティのしっかりした家やオフィスを利用する
などの一般的な対策は一定の効果はあるでしょう。
資産家が半グレや反社の人たちに目をつけられてしまい、強盗されてしまう……というのは古来よりよくある犯罪ですので、そうした犯罪に会わないように気をつけていきたいところです。
それではみなさんご安全に!
(アイキャッチ画像引用元: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%81)