DeFIRE民が仮想通貨投資をしてはいけない理由

DeFiはブロックチェーン上で実装されている金融システムであり、仮想通貨(暗号資産、暗号通貨)とは切っても切り離せないものです。

実際、トランザクション手数料の支払いを行うために、少額の仮想通貨を購入する必要があります。

しかし、DeFIREでは基本的に仮想通貨投資は非推奨とさせていただいております。

一見すると矛盾するようなことを言っているようですが、今回の記事ではなぜDeFIRE民が仮想通貨投資をしてはいけないのかを解説させていただきます。

DeFIREを目指すなら仮想通貨投資はするな!

FIREの理想形

FIREは、保有する資産を投資に回し安定的な収益を得ることで、その収益を原資として資産を減らすことなく(または少なくとも、100歳くらいまで長生きしてしまっても足りなくならないようにする)生活費を賄っていくというものです。

ここで重要なのは「安定的な収益を得る」ということです。

そのため、価格変動の大きなリスクの高い資産を持っていると、ある日突然価格が崩壊しせっかく満喫していたFIRE生活を辞めて仕事を探さなければいけなくなってしまう危険性があります。

金融危機などが起こるのがいつなのかは誰にもわかりませんので、もしそれがたまたまライフステージ上支出の多くなる時期(例えば、結婚をするために結婚式の費用を支払う、子供が生まれて教育費が嵩む、病気になってしまい多額の医療費がかかる、など)であれば目も当てることができません。

FIRE生活を長く続けていた場合には、自身の経歴上長期間のブランクがある状態ですので、もし再就職先を探そうとしても経歴上のブランクを重視しがちな日本の社会慣習では再就職は困難を極めるでしょう。

そうなってしまえば人生終了です。(※個人の感想です)

ですので、なるべくそういった事態が起きないようにしっかりとした資産ポートフォリオ(アセットアロケーション)形成を行い、世界的な大恐慌や世界大戦などが発生したとしても金銭面で困ることのないように慎重にプラニングを行う必要があります。

仮想通貨とボラティリティ

仮想通貨は最も古いビットコインの登場が2009年、最も古いスマートコントラクトプラットフォームであるイーサリアムが正式ローンチしたのは2015年と、まだまだ歴史の浅いアセットクラスとなっています。

そのため、まだ市場参加者数は伝統的金融資産(法定通貨、土地、貴金属、株式や債券など)と比較すると非常に少なく、そのために価格変動(ボラティリティ)は非常に高くなっており、一瞬のうちに値下がりしてしまう可能性があります(もちろん、逆に暴騰する可能性もありますが……)。

現時点では各国の法規制の整備は進んでおらず、ある日急に厳しい法規制ができてしまったり、ソフトウェア自体に致命的なバグが発見されるなどにより、仮想通貨の価格が急落してしまうリスクは非常に高いと言えるでしょう。

例えばTerraというブロックチェーンのネイティブ通貨であるLUNAは、Terra上で発行されていたUSTという米ドルにペグしたステーブルコインの価格崩壊に伴って、最高値の約100ドルから、0.0001ドル以下まで実に100万分の1の価値まで一瞬のうちに下落してしまいました。

もしLUNAを最高値圏内で1億円持っていたとしたら、一瞬のうちにたったの100円になってしまうという計算になります。

LUNAの場合にはシステムの設計上の問題点として発行枚数に上限がなかったことなどがあり、発行枚数に上限のあるビットコインや発行枚数の上限をコントロールしているイーサリアムではそこまで急激に下落してしまう可能性はないと思いますが、それでも一日で10分の1になるなどは十分に想定できます。

従って、こうした歴史が浅く、ボラティリティの高い資産を保有するのは極めてリスクが高いと言えるでしょう。

王道を往け

それでもビットコインの歴史的な暴騰を見て投機的に資産として保有を始める投資家は現在も増え続けており、一攫千金の夢を見たいのであれば仮想通貨に対して投資することを止めはしません。

しかし、FIREするという観点においては、前提としてそれなりの金融資産(目安として5,000万円以上)を持っていることになりますから、そこまで危険な冒険をして無理に資産を増やす必要はあるでしょうか?

FIREが「生活費に足る、安定した資産所得を得る」というのを目指すのであれば、そういった危険な賭けをわざわざ大きなリスクを取ってまでする必要はないはずです。(※個人の感想)

もちろん、金融資産がFIREできるほどなく、何らかの手段を講じて必要資金を確保しなければならないというステージの方でしたら仮想通貨で一発当てて一気にFIREを目指すという可能性も考えられるでしょう。

しかし、仮想通貨投資は不確実性が高く、再現性や確実性の観点からは仮想通貨でFIREできる資産を築く、というのはおすすめできるとは言い難いです。(※個人の感想)

FIREするための王道は、高度なスキルを身につけることで高単価な人材としての労働価値を身につけ、労働によって資産を築く(もちろん、労働所得の一部を投資へ回し利回りも二重取りする)ことであり、この王道は仮想通貨があったとしても変わることはありません。

それでも仮想通貨投資を行いたい方へ

ここまで聞いても「いや、俺/私はどうしても仮想通貨に投資したいんだ!」という方もいるでしょう。

当サロンはあくまで情報提供を行う場であり、個々人の投資方針にまで干渉することはありませんので、ここまで読んでいただいても仮想通貨投資を諦めきれない方を止めることはありません。

投資助言になってしまいますので具体的なアドバイスはできませんが、もし仮に自分(弐号)が仮想通貨を一切持っておらず、これから仮想通貨へ投資していくと仮定した場合に、どういった投資方針にするかを箇条書きにさせていただきます。

  • 投資金額は総資産の10%前後
  • 一気に買わず、ドルコスト平均法で毎日ある一定の評価額分の仮想通貨を購入する(購入用のボットをプログラミングする)
  • メインの投資先はBTC50%程度、ETH20%程度
  • 残りは、時価総額が比較的大きく、リスクが低いと思われる仮想通貨をよくデューデリジェンスし選定する(アロケーションは、すべて同額ずつ買うか、時価総額で重み付け)

上記は弐号がこれから仮想通貨投資を始めるとしたらどうするか、という思考実験ですので、以上はあくまで参考ということで投資方針については各自綿密に練ってください。

投資に正解はありません。

上記ではビットコインとイーサリアムをメインにしていますが、ビットコインやイーサリアムが王者の地位を失墜してしまい、歴史に名前を刻まれるのみとなってしまうかもしれません。

現在、多数のイーサリアム互換チェーンや、非互換ながら高い性能を持つスマートコントラクトプラットフォームが乱立しており、今後そういったチェーンが主流となる可能性もあるでしょう。

繰り返しになりますが、投資に正解はありません。

ブロックチェーン周辺の事情を定期的にウォッチし、適切にストラテジーを変えていく必要があります。

資産を減らすのは簡単ですが、資産を増やすのは容易ではありません。

また投資の世界では急に貧乏になることはあっても、急にカネ持ちになることはありません。

仮想通貨の市場環境はまだ若く、今後数年〜十数年は不安定な状況が続くと思いますが、それは逆にチャンスでもあります。

うまく立ち回って資産を増やしましょう!

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