アルゴリズミック・ステーブルコイン
Algorithmic Stablecoins (Algorithmic Stablecoin)
何らかのアルゴリズムを用いてコインの価格を調整することによって、ドルなどの法定通貨との価格連動(ペッグ)を目指すコイン。MakerDAO の発行するドルペッグの通貨「DAI」などが代表格。
ERC-20
ERC-20
Ethereum上で独自のトークンを発行するために用いられる、標準的なフォーマットのこと。基本的にEthereumまたはその互換ブロックチェーン上のコイン(トークン)はERC-20の仕様に従って発行されている。
Ether(イーサ)
Ether
Ethereum上でトランザクションを送信する際に手数料支払い用として用いられる暗号資産。最小単位は10^-18(0.000000000000000001)Etherであり、この単位まで分割することができる。なお、この最小単位のことをWei(ウェイ)と呼ぶ。またEthereum上での取引手数料のことは「ガス代」と呼ぶことが多い。
Ethereum(イーサリアム、イーサ)
Ethereum
ビットコインはコインの送金にのみ特化しているが、これを拡張し任意のプログラムをブロックチェーン上で実行できるようにした技術のこと。ブロックチェーン上で実行されるプログラムは「スマートコントラクト(スマコン)」と呼ばれる。
イールド・アグリゲーター
Yield Aggregrator
ブロックチェーン上の資産を複数のDeFi市場で利殖(イールドファーミング)するためのサービス。複数のDeFi市場を俯瞰して比較検討することができるため、より有利なDeFi市場で運用することができる。ものによってはプログラムで自動的に有利な市場へ切り替えをしてくれる。
イールド・ファーミング
Yield Farming
DeFi市場などにコイン(トークン)を預け入れることで、何らかの対価を得る行為。例えばレンディング市場で貸し付けることで利子をもらう、AMMの流動性プールへ流動性を提供することで流動性報酬をもらう、などが考えられる。
インパーマネント・ロス(変動損失、IL)
Impermanent Loss
AMMにおいて、流動性を供給した際に、供給した通貨ペアの価格変動が起こると自身の供給した流動性プール(LPトークン)の評価額も変動する。流動性を供給しなかった場合と比べると、通貨ペアの価格変動がどちらの向きであろうと(つまり、上昇しても、下落しても)流動性を供給した方が損をする。この損失額のことをImpermanent Lossという。従って、AMMに流動性を供給する場合には、流動性供給による報酬から Impermanent Loss を差し引いたものが期待する利益を上回るかどうかを考慮する必要がある。
ウォレット
Wallet
コイン(トークン)を保管しているソフトウェアやハードウェアのこと。ウォレットは秘密鍵の集合体とみなすことができる。ブロックチェーンに対してトランザクションを発行する際には必ず利用することになる。
ガバナンス
Governance
プロジェクトの開発方針などを決定するプロセスのこと。多くのDeFiプロジェクトでは「ガバナンストークン」と呼ばれるトークンを発行しており、このトークン保有者の多数決によってプロジェクトの方針を決定するようにしていることがある。例えばCurveでは、投票によって流動性供給報酬の量を決めることができ、それによって自身の供給している流動性プールの報酬が有利になるように誘導することなどができる。
(暗号資産)交換所
Cryptocurrency Exchange(Cryptoexchange)
暗号資産の売買を行う市場のこと。株式市場における東京証券取引所や、FXにおけるインターバンク市場に相当する。
担保(コラテラル)
Collateral
資産の借り入れをする際に差し入れる質(しち)のこと。従来の金融取引などでも高額の借り入れをする際には土地や証券などを担保とすることが多いが、暗号資産の場合にはある種の暗号資産を担保として差し入れることで、別の種類の暗号資産を借りることができることが多い。課税を先延ばしにするためにコイン(トークン)を担保にしてドルを借り入れるといった用途がある。
自動マーケットメーカー
AMM(Automated Market Maker)
株式取引のような板取引ではなく、FXのような2-way方式の取引方式(販売・買取所)を効率よく分散的に実装するために考案された方式。
AMMではユーザは「流動性供給者」または「取引をしたいユーザ」になることができる(同時に両方のロールを担うことも可能)。
流動性供給者が特定の通貨ペアに対して流動性(≒コイン、トークン)を供給し、取引をしたいユーザはその流動性に対して売却したいコイン(トークン)を受け渡し、対価として流動性から購入したいコイン(トークン)を得ることができる。
AMMではユーザは「流動性供給者」または「取引をしたいユーザ」になることができる(同時に両方のロールを担うことも可能)。
流動性供給者が特定の通貨ペアに対して流動性(≒コイン、トークン)を供給し、取引をしたいユーザはその流動性に対して売却したいコイン(トークン)を受け渡し、対価として流動性から購入したいコイン(トークン)を得ることができる。
ステーキング
Staking
ブロックチェーンの承認プロセスの一種である「Proof-of-Stake(PoS)」に参加することで、その対価としてコイン(トークン)をもらうこと。派生して、トークンを一定期間の間使えないようにロックすることで報酬をもらえる仕組みのことも指す。DeFiプロトコルなどへの流動性供給はステーキングとは言わない。
ステーブルコイン
Stablecoins(Stablecoin)
何らかの伝統的資産(普通は、法定通貨)に対して価格変動が極めて少なくなるように設計されたコイン(トークン)のこと。価格変動を抑える方式は「ドルなどの担保資産との引き換えを約束するもの(USDTやUSDCなど)」と「スマートコントラクト上で自動的にアルゴリズムを用いて調整するもの(DAIなど)」が多い。
スマートコントラクト
Smart Contracts(Smart Contract)
ブロックチェーン上で自律分散的に動作するプログラムのこと。ブロックチェーン上に書かれたプログラムは、ブロックチェーン上での金融取引の「契約(コントラクト)」であるとみなすことができる。ブロックチェーン上に書かれたプログラムは自律的かつ完全自動的に実行されるため、それが「スマート」であることから両者を合わせて「スマートコントラクト」と呼ばれる。
清算比率
Liquidation Ratio
レンディングプラットフォームにおいて、提供されている担保の評価額がある一定以下を下回ると強制的に清算処理が行われ、担保資産が売却されてしまうが、その閾値(いきち)のこと。例えば流動化閾値が75%の場合、借入額が提供している担保資産の評価額の75%を上回ると、強制的に精算されてしまう。そのため、ボラティリティ(価格変動率)の多い資産を担保とする場合には、ある程度安全マージンを見込んで多めに担保を差し入れることを検討する必要がある。
CEX(セックス)
Centralized Exchange
株式取引のような板取引ではなく、FXのような2-way方式の取引方式(販売・買取所)を効率よく分散的に実装するために考案された方式。AMMではユーザは「流動性供給者」または「取引をしたいユーザ」になることができる(同時に両方のロールを担うことも可能)。流動性供給者が特定の通貨ペアに対して流動性(≒コイン、トークン)を供給し、取引をしたいユーザはその流動性に対して売却したいコイン(トークン)を受け渡し、対価として流動性から購入したいコイン(トークン)を得ることができる。
通貨ペア(トレードペア)
Trading Pairs
金融市場において、交換する通貨のペアのこと。例えばUSD/JPYといった場合には、米ドルと日本円の組み合わせでトレードを行うことを示す。
TVL
TVL(Total Value Locked)
DeFiプロトコルの流動性プールへ預け入れられているコイン(トークン)の時価総額のこと。一般的には米ドルで表記する。TVLが大きければ大きいほど、その流動性プールが人気であることを示しており、スリッページなども安くなる。
DEX(分散型取引所)
DEX(Decentralized Exchange)
従来の取引所のように管理者が存在しない、非中央集権的な取引所のこと。ブロックチェーン上で自律分散的に動作するスマートコントラクトとして導入される。おおまかに株式市場のように板取引のできる取引所と、AMMを利用した販売・買取所形式のものに分けることができる。なお、本来の定義では「管理者が存在しないこと」が分散型取引所の定義であるが、スマートコントラクトの更新などができる権限を持つ管理者のような存在がいることがあるため、「ユーザのコイン(トークン)を預からない形態の取引所」と理解したほうがいいかもしれない。
DeFi(デファイ、ディファイ)
DeFi(Decentralized Finance)
中央集権的な機関を通さずに、分散的に金融取引を行えるシステムのこと。例として、暗号資産取引所、AMM、レンディング、ステーキングなどが存在する。コイン(トークン)を預け入れる必要がないため、運営による持ち逃げやハッキングなどのターゲットになりにくいが、一方で完全に自己責任で秘密鍵を管理する必要があるため、それなりのリテラシーが要求されるのが現状である。
年間利回り
APY (Annual Percentage Yield)
投資利回りに対して、複利効果も考慮した実効的な利回りのこと。似たような概念として単利で計算した場合の投資利回りをAPR(年換算利回り)という。APYはAPRに複利効果を足し算したものなので、必ずAPYの方がAPRを上回る。参考記事:APR ⇔ APY 変換公式(Qiita @visvirial)
ブリッジ
Bridges (Bridge)
異なるブロックチェーン間でコイン(トークン)を受け渡す際に仲介をしてくれるサービスのこと。ブリッジを使うと、例えば「Ethereum上のUSDCをSolana上のUSDCに変換する」といったことができる。
ラップド・アセット
Wrapped Asset
あるブロックチェーン上の資産を、別のブロックチェーンに対して運び入れることで利用できるようにしたもの。例えばWBTCはビットコインをEthereum上で利用できるように「ラップ」されたERC-20トークンである。
流動性供給者
Liquidity Providers(Liquidity Provider)
流動性プールへ流動性(コイン、トークン)を供給しているユーザのこと。
リバランス
Rebalance
金融資産の売買を行うことで、ポートフォリオ(様々な金融資産の保有割合のこと)を調整すること。
流動性プール(LP)
Liquidity Pools(Liquidity Pool)
レンディングやAMMプラットフォームに対して差し出された流動性が保管されている仮想的なプールのこと。
流動性プールアグリゲーター(アグリゲーター)
Liquidity Pool Aggregator
複数の流動性プールを束ねることで、わざわざ複数のウェブサイトに訪れなくても流動性の提供などができるような仕組みのこと。複数のプラットフォームから利率などが有利なプラットフォームを選択できるなどの利点がある。
流動性マイニング
Liquidity Mining
DeFiプロトコルに流動性(≒コイン、トークン)を提供することで、その提供の対価として何らかのコイン(トークン)をもらうこと。例えばレンディングプラットフォームでは貸出利率を、AMMでは取引手数料を対価としてもらうことができる。
利用率
Utilization Ratio
特にレンディングプラットフォームなどで、貸付用に預け入れられている量に対する、実際に貸出が行われている量の比率のこと。利用率が大きければ大きいほど、資産が有効に活用されていることになるが、これは貸し手よりも借り手の方の需要が多いことを意味しており、貸出利率および借入利率が自動的に上昇するように設計されているものが多い。
レイヤー1チェーン(L1)
Layer-1 Chains
大本となるブロックチェーンそのもののこと。ブロックチェーンによっては、ブロックチェーンの他にサブとなるチェーンを持つことがあり、それをL2チェーンと呼ぶ。「L1チェーン」はL2チェーンと区別するために生まれた用語である。
レイヤー2チェーン(L2)
Layer-2 Chains
大本となるブロックチェーンのサブチェーンとして作られたもの。ブロックチェーン本体だけでは、世界人口すべてのトランザクションを捌くのは難しく、この問題は「スケーラビリティ問題」と呼ばれる。L2技術は、このスケーラビリティ問題を解決または緩和するために生まれた技術である。例えばビットコインに対するLightning Network(チェーンではないが)やEthereumに対するPolygon(L2ではなくサイドチェーンであると言われることもあるが)など。