こんにちは!
弐号です。
レンディングやDEXなどの主要な金融システムがDeFi上で実装されてきた昨今では、より複雑な金融商品をDeFi上で実装していくという動きが加速しています。
今回紹介するのはFixed Coupon Noteと呼ばれる仕組債であり、これを実装するCegaでは一定のリスクのもとUSDCを証拠金として年利50%以上(!)もの高利回りで運用を行うことができます。
ここではFixed Coupon Noteがどのような仕組みなのかを説明し、そのリスクを解説していきたいと思います。
なお、仕組債などの高度な金融商品は高い利回りが期待できる一方で、かなりのハイリスクな金融商品となっておりますので、もし投資される場合には十分にそのリスクを吟味した上で投資を実行してください。
※DeFIREではこのようなハイリスク商品への投資を推奨しているわけではありません。あくまでも自己責任の上でご利用ください。
仕組債とは?
仕組債 (Structured Note) とは、文字通り複雑な仕組みを持った債権であり、一般的な債権と区別されます。
この「仕組み」はオプションやスワップなどのデリバティブを組み合わされることで、さまざまな金融商品が設計されます。
通常の債権では、債権者の破産(デフォルト)リスクを除けば元本割れのリスクは少ないですが、仕組債の場合にはリンクされている金融商品などの価格変動などにより元本割れのリスクなどもあり、一般的な債権よりもハイリスクです。
一方で、リスクが高い分、一般的な債権では見られないような高い利回りを得られる可能性があるのも特徴となります。
以下ではCegaで実装されているFixed Coupon Note (FCN) と呼ばれる仕組債の説明を行います。
少々複雑ですが、投資を行う際にはリスクを正しく把握しておく必要がありますので、ついてきてくださいね。
Fixed Coupon Note
FCNには原資産 (Underlying Asset) と呼ばれる、株式(Cegaの場合にはBTC、ETHまたはSOL)などの現物金融資産がリンクされています。
FCNが設定された後に、原資産価格がどのように推移するかによってFCN購入者に対する支払い額が変わっていきます。
原資産価格のレベルとしては、ノックイン価格と、ノックアウト価格が設定されます。
FCNの利払いタイミングまたは償還タイミングにすべての原資産価格がノックアウト価格を上回っていた場合には、約束されていた利率での利払いおよび、原資が全額償還され、FCN契約は終了となります。
逆に、原資産価格のいずれかがノックイン価格を下回っていた場合には、原資からFCNが設定された際の原資産価格と判定時の価格の差分が控除された金額に、利払い分を含めた金額が返却されます。
一方で、利払いのタイミングで原資産価格がすべてノックイン価格とノックアウト価格の間に収まっていた場合には、原資の償還は行われず、利払いのみが行われます。
かなり複雑な商品設計となっておりますが、元本割れする可能性にのみ注目すると、原資産価格のいずれかがノックイン価格を下回った場合にのみ元本割れが発生しますので、特にノックイン価格に注目すればいいでしょう。
Cegaの場合には、ノックイン価格の異なるFCNが二種類設定されており、それぞれ設定日の50%および90%まで価格が下落しても耐えられるようになっています。
逆に言うと、原資産価格が50%ないし90%以上下がってしまうと、元本割れが発生します。
まとめ
Fixed Coupon Note (FCN) は原資産価格が大きく下落しない限り元本割れしない仕組債。
原資産価格がノックイン価格を下回ると、大きな損失が発生してしまうので注意。