リキッドステーキングトークンのアービトラージ戦略

こんにちは!弐号です。

今回はリキッドステーキングにおける軽微なデペグを利用したアービトラージ戦略を紹介します。

概要

リキッドステーキングサービスでは原資産を預け入れることでステーキング利回りがもらえると同時に、「預かり証」としてレシートトークン(Liquid Staking Derivatives; LSDs)をもらうことができます。

例えば Lido で ETH をステーキングすると stETH ないし wstETH をもらうことができます。

ステーキングやアンステーキングは自由に行うことができるため、理論上はリキッドステーキングサービス上でのステーキング/アンステーキングの交換レート(以下「理論価格」とよぶ)と、DEX (またはCEX) 上での LSD 価格(以下「実勢価格」とよぶ)は等しくなるはずです。

LSD の DEX 上での価格が理論価格を上回った場合には、原資産のステーキングを行い得られた LSD を市場で売却することでアービトラージができます。

逆に実勢価格が理論価格を下回った場合には、LSD をアンステーキングしてから市場で原資産を売却することでアービトラージができます。

しかしながら実際には実勢価格はしばしば理論価格を下回ることがあります。

なぜならば、一般的な PoS システムではアンステーキングを行う際に一定期間(おおむね一日から一週間程度)の資産ロックが発生しますので、下方向のデペグについては即座にアービトラージをすることができないからです。

逆に言うとアンステーキングを待つことができるのであれば、アービトラージを行うことができる可能性があります。

実際に執筆時点での Lido の価格をもとにこれを検証してみましょう。

wstETH on Arbitrum のアービトラージ

執筆時点での Arbitrum チェーン上での wstETH の価格は、1 ETH = 0.865159 wstETH となっています。

一方、0.865159 wstETH を Lido でアンステーキングすると 1.000983 ETH がもらえます。

つまり、1 ETH を原資としてアービトラージを行うと約

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