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こんにちは、デフィー 弐拾壱号です。
暗号資産市場が成熟するにつれて、トレーダーのニーズも高度化し、より柔軟で多様な金融商品が求められるようになりました。
こうした中、注目を集めているのが、Ethereumのレイヤー2であるArbitrum上に構築されたP2P取引プロトコル「Variational(バリエーショナル)」です。
中央集権型取引所(CEX)や従来のDEXが抱える課題を解決し、新たなデリバティブ取引の形を提示するVariationalのその仕組みと将来性について詳しく解説していきます。
Variationalとは
概要
Variationalは、オーダーブックを用いず、RFQ(リクエスト・フォー・クオート)方式により取引を実現する、P2Pベースのデリバティブ取引プロトコルです。
ユーザーは、オンチェーンで条件を自由に設定できる環境のもと相対での契約を締結できます。
現在はArbitrumチェーン上で展開しており、テストネットを経て、2025年初頭にメインネットの一般公開が行われました。
また、Variationalは単なるDEXではなくユーザー同士が直接取引するための基盤を提供するプロトコルであり、設計の出発点が従来の取引所と大きく異なるのが特徴的です。
プロジェクトの目的
Variationalの開発目的は、グローバルユーザーが任意の資産に対し透明かつ安全にカスタマイズ可能なデリバティブ取引を実行できるインフラの構築です。
創業者のルーカス・シュールマン氏とエドワード・ユー氏は、Genesis Global Tradingにおいてクオンツ取引の経験を積み、より柔軟な金融市場の必要性を痛感しました。
そこから、誰でも独自の契約をブロックチェーン上で実現できる世界を目指し、Variationalを設計しました。
彼らのビジョンは、複雑な契約を自動化することにより仲介者を介さず、安全かつ信頼性の高い取引環境を提供することです。
仕組み&特徴
RFQ方式とバイラテラル清算
Variational最大の特徴は、オーダーブックを廃しRFQベースで取引相手を募る仕組みにあります。
ユーザーは取引構造を選択し、見積り依頼を発行します。
次に対応可能なメイカーは、価格や清算条件を含めた見積りを提示します。
合意に達すれば、双方の資産はスマートコントラクトを通じて指定の清算プールに移動され、取引が完了します。
Omniアプリでは、RFQプロセスを簡略化し、OLP(Omni Liquidity Provider)が唯一のカウンターパーティとして機能しています。
この方式により、ニッチ資産や新規トークン、予測市場、複雑なデリバティブにも対応しています。
これにより、多様な市場参加者が取引スタイルやリスク志向に応じて柔軟に取引できます。
リスク分離型の清算プール構造
Variationalでは、各ユーザーごとに独立した清算プールが生成されます。
これはスマートコントラクトとしてオンチェーン上に存在し、ユーザーとカウンターパーティ間の取引ごとに個別の記録台帳が生成されます。
例えば、Omniアプリを利用した場合、ユーザーはOLPとの間に独自の清算プールを持つことになります。
この構造により、他のユーザーの取引によって自身のポジションに影響が及ぶことはありません。
つまり、プール間の資産は完全に分離されており取引における損失やリスクが、他者に波及しない安全な設計が実現されています。
また、各プールでは、証拠金や清算ルールを柔軟にカスタマイズ可能です。
加えて、清算プールに関わるすべての条件は事前に明示され合意のもとで契約が成立するため、トレード後の不確実性が排除されます。
自動上場と垂直統合されたマーケットメイク
Omniアプリは、Variationalプロトコル上に構築された最初のアプリケーションであり、個人トレーダーが数千に及ぶ銘柄でパーペチュアル取引を行える環境を提供しています。
最大の特長は、外部のマーケットメイカーに依存せず、OLPによる一元的な価格提示と取引成立を実現している点です。
これにより、取引手数料がゼロであることに加え、価格の透明性と迅速な取引執行が可能となります。
さらに、OLPはCEXやDEX、OTC市場など複数のソースから流動性を取り込み、スプレッドを最小限に抑え、即時にヘッジを実行します。
上場プロセスも自動化されており、一定のセキュリティおよび流動性条件を満たせば、即時に取引対象として追加される点もOmniの魅力のひとつです。
これにより、新規トークンやロングテール資産、さらにはNFTベースの金融商品など従来の取引所では対応が難しかった多様な資産にアクセスできるようになりました。
トークンについて
トークン概要
Variationalのネイティブトークン「$VAR」は、2025年にローンチが予定されています。
発行されるトークン総量のうち、5
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