BlackRock BUIDLとは?仕組みや将来性について徹底解説

アイキャッチ画像引用元:BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund

こんにちは、デフィー参拾肆号です。

かつて眠れる資産だった機関投資家の現預金は、いまやブロックチェーン上で24時間稼働し、利回りを生み出す時代へと突入しました。

その決定打となったのが、資産運用大手のBlackRockが展開する「$BUIDL」です。

今回は単なるトークン化を超え、伝統金融の巨人がDeFiの深層へと接続するその革新的な仕組みと数兆ドル市場の覇権を握る将来性を徹底解説します。

BlackRock BUIDLとは

項目 詳細
プロジェクト名 BlackRock BUIDL
リリース 2024年7月
TVL 約30億ドル
ネイティブトークン BUIDL
対応ブロックチェーン Ethereum(イーサリアム)
BNB Smart Chain(ビーエヌビースマートチェーン)
Solana(ソラナ)
Aptos(アプトス)
Avalanche(アバランチ)
Polygon(ポリゴン)
Arbitrum(アービトラム)
OP Mainnet(オーピーメインネット)
対応ウォレット 機関投資家向けのカスタムウォレット(Securitizeアカウント)
管理手数料 ~0.5%
取扱サービス 現実資産のトークン化
公式サイト https://securitize.io

参考:Securitize
参考:BlackRock BUIDL TVL, Fees & Revenue

BlackRock BUIDL(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)は、世界最大規模の資産運用企業BlackRock社が展開する機関投資家向けの利回り生成プロトコルです。

2024年7月のローンチから瞬く間にオンチェーンRWA(現実資産)市場の勢力図を塗り替えました。

世界最大の資産運用会社が本格的にブロックチェーン上へ進出したこのプロダクトは、単なる投資商品を超え、金融インフラの新たなスタンダードを確立しつつあります。

$BUIDLは、広く一般に開かれたステーブルコインとは一線を画します。

最低投資額は500万ドル(約7.9億円)に設定されており、そのターゲットは、資金を効率的に運用したい大口個人投資家や機関投資家、そしてDeFi(分散型金融)プロトコルそのものに特化しています。

この高い参入障壁は、コンプライアンスを重視する大口資金の受け皿としての地位を強固にし、オンチェーンにおける機関投資家向け金融インフラとしてのプロ仕様の設計を際立たせています。

既存RWAプロトコルとの違い

BlackRock BUIDLがCircle社の$USYCなどをはじめとする他の利回り付き資産と決定的に異なるのは、エコシステムにおけるその立ち位置にあります。

$USYCがエンドユーザーに向けて提供される、いわば完成品としての利回り付きステーブルコインであるのに対し、$BUIDLは他の金融プロトコルが自社製品を構築するための原材料(卸売)として機能している点が最大の特徴です。

象徴的な事例として、RWA分野の先駆者であるOndo Financeが挙げられます。

同プロトコルが提供する米国の短期国債に裏付けられた$OUSGは、その裏付け資産の大部分を$BUIDLへと移行しました。

これは、$BUIDLがもはや単なる一つの投資ファンドに留まらず、他のDeFiプロダクトやインフラを支える基本層、すなわちオンチェーン金融でのOSのような存在になりつつあることを示しています。

さらに、機関投資家が最も懸念する出口戦略についても、BlackRock BUIDLはCircle社との戦略的提携によって革新的な解決策を提示しています。

スマートコントラクトを介することで、$BUIDLは24時間365日いつでもUSDCへと即時交換(Liquidity Fund)が可能です。

この仕組みにより、従来の伝統金融市場では不可能だった週末や夜間における大規模な流動性の確保がオンチェーン上で完全自動化されました。

この流動性とコンポーザビリティ(相互運用性)こそが、巨額の資金を動かす機関投資家が、流動性リスクを極限まで抑えながら安心してパブリックチェーンへ参入できる最大の根拠とであり、圧倒的な優位性と言えます。

BlackRock BUIDLの仕組み


画像引用元:BlackRock Corporate Sustainability | BlackRock

これまで伝統金融にとって、管理者のいないパブリックチェーンはリスクの塊として遠ざけられてきましたが、BlackRockはこの高い壁を正面から打ち破りました。

大口投資家の巨額マネーをWeb3のコードの世界へ安全に導くため、彼らが導き出した最適解こそが、運用・法務・技術が完璧に融合した独自の三位一体構造です。

これを実現しているBlackRock BUIDLの仕組みを解説します。

BlackRockの資産運用力と裏付け資産の安全性

まずBUIDLの価値は、BlackRockが管理する極めて安全なポートフォリオに支えられています。

資産の100%を現金、米国財務省証券、現先取引(レポ取引)で構成し、1$BUIDL=1ドルの価値を維持します。

世界最大の運用会社が持つ目利きと管理能力が、オンチェーン上でそのまま体現されている状態です。

これにより、かつてステーブルコイン市場で懸念された裏付け資産の不透明性やデフォルトリスクは完全に払拭されました。

機関投資家にとっては、自社の金庫に米国債を眠らせておくのと同じ安全性を確保しながら、デジタル資産の機動性を享受できる環境が整っていると言えます。

Securitizeによるオンチェーン移転代理と配当の自動化

BlackRock BUIDLにおいて、戦略的パートナーのSecuritizeは、単なるシステム提供者ではなく、法的なオンチェーン移転代理人(保有者の公式な証明係)の役割を担っています。

伝統金融では銀行や信託会社が数日かけて手動で行う権利者の名簿管理を、SecuritizeはEthereum上で完全にデジタル化しました。

これにより、中間の証券会社などを挟まずに1対1で取引できる金融の直販が実現し、無駄な中間マージンや手続きが一切不要になります。

この仕組みによって配当計算から送金までが自動化され、BlackRock BUIDLは米国の投資会社法に準拠したデジタル証券としての身分を確立しました。

バックオフィスの自動化は中間コストを劇的に削減し、投資家への利回り還元率を最大化させる原動力となっています。

パブリックチェーンの採用と機関級オラクルによる信頼のオープンソース化

BlackRockは、自社のプライベートチェーンではなく、あえてEthereumという公共の場を選びました。

パブリックチェーンを採用し誰にでも開かれたインフラを使うことで、他のDeFiプロトコルとの相互運用性を確保しています。
またChronicleなどの機関級オラクルを採用しています。

これにより、ファンドのNAV(純資産価値)や裏付け資産の状況がオンチェーンでリアルタイムに証明されます。

中央集権的な報告を待つ必要はなく、資産状況を技術的に誰もが検証できる仕組みを構築しました。

このオラクルを介したデータ連携により、ファンドの運用状況は一秒の淀みもなく可視化され、伝統金融にありがちだった開示のタイムラグをゼロにしています。

企業やDAOの監査プロセスすらも自動化できるこの透明性こそが、Web3ネイティブな大口資金を引きつける最大のトリガーです。

BlackRock BUIDLの将来性


画像引用元:Securitize | Home page

BlackRock BUIDLの登場は、単なる一ファンドの成功に留まらず、伝統金融とWeb3が融合した新しい金融市場のデジタル化を急速に牽引しています。

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