無期限先物とレンディングを用いた、レバレッジ・ロングショート戦略

こんにちは!弐号です。

最近の投資戦略として、「【投資戦略】無期限先物のファンディング・レートによるアービトラージ」をさらに発展させて、レンディングプラットフォームを用いてレバレッジを効かせて金利差アービトラージを行うということをしています。

この記事では具体的にどのような戦略なのかに触れ、実際にどのくらいの実質利回りを得られるのかを計算していきます。

戦略

基本的な戦略は「【投資戦略】無期限先物のファンディング・レートによるアービトラージ」と同様なのでまだこちらの記事を読んでいない方は先にこちらを読んでください。

現在ではこれに加えて、買い入れた現物のETHをwstETH(またはrETH、BETHなどのLSDトークン全般)に交換し、これをレンディングプラットフォームに担保として入れることでステーブルコインを借り入れ、そのステーブルコインをさらにETHに交換することでレバレッジを効かせています。

最終的なポジションとしては、CEXに無期限先物の証拠金としてステーブルコインとETHのショートポジションを持ち、レンディングプラットフォームではwstETHが担保として預け入れられており、ステーブルコインを借り入れている状態となります。

利回りの計算

以下では原資としてステーブルコインを i 枚持っていると仮定します(※弐号はビットコインを原資としていますが、ここではステーブルコインであると仮定します)。

レバレッジなしの場合

まず練習として、レバレッジなし、すなわちレンディングプラットフォームの利用はせずにETHをステーキングするだけの場合を考えてみましょう。

CEXでのレバレッジを5倍とすると、CEXでの証拠金は 0.2i ドルであり、wstETHは 0.8i ドル買い入れることになります。

なお、ETHの購入などに手数料が必要となりますが、簡単のために十分に小さいとして無視することにします。

ここで無期限先物のファンディングレートをプラス r_\text{FR} とし、wstETHのステーキング利回りを r_\text{staking} とすれば、このときの利回りは

0.8 \left( r_\text{FR} + r_\text{staking} \right)

となります。

ここで r_\text{FR} = 10\%r_\text{staking} = 4\% とすると実質利回りは

11.2\%

となります。

レバレッジありの場合

それでは次にレンディングによりレバレッジを活用した場合の実質利回りを計算してみましょう。

CEXとレンディングで以下の枚数のポジションであるとして変数を設定します。

  • CEX上の証拠金としてのステーブルコイン: x枚
  • CEX上の無期限先物のショート数量(ドル): yドル
  • レンディングでのwstETHの預け入れ数量(ドル): yドル
  • レンディングでのステーブルコインの借り入れ数量: zドル

すると、原資の枚数との間には

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